通り池とは、宮古島から伊良部大橋を渡り伊良部島からさらに下地島へ渡った場所にある2つの池です。池と言っても海中で2つの池は繋がっており、更に外海にも海中で繋がっていることから「通り池」という名前が付いたと言われています。

現在は遊歩道が台風によって壊れてしまい通れませんが、通り池の先には生まれ変わりの整地・再生の地と言われる「鍋底池」があります。

コバルトブルーの水面は、外海と繋がっていることにより潮位や気象条件（気温・水温・塩分濃度等）によって、水面の色が様々に変化します。よく晴れた日には光の反射も相まって、その美しさが際立ちさらに神秘的な風景になります。

国の名勝及び天然記念物に指定されているこの場所は、美しい景観と幻想的な雰囲気から多くの人が訪れる人気の観光スポットです。

・語り継がれるいくつかの伝説

人魚伝説（ユナイタマ（ヨナタマ））伝説
下地村に住むある男がヨナタマという魚を釣り上げたので、珍しいこの魚（人語を話すことができた）を人に見せようと、火をおこして乾かしていた。その夜、隣の家の子供が母親に「伊良部村に行こう」と突然泣き出したが、母親はなだめることができず、子供と外へ出ると、海の方から「ヨナタマ、、、ヨナタマ、、どうして帰ってこないのだ」と大きな声が聞こえました。すると、隣の家で乾かされていたヨナタマが「炭火の上で一晩中乾かされて帰れない。早く迎えにきてください」と答えたのでした。この光景を見た母子は身の毛もよだつ思いで一目散に伊良部村に向かいました。翌朝戻ると下地村の集落は大津波によって跡形もなくなっていました。

人魚伝説には別の伝承もあり、昔、この辺りに住む漁師がユナイタマを釣り上げて、珍しい魚だったので半身を隣家に分け与えた。海に呼ばれたユナイタマが「半身でかえれない」と答えると、3度も大津波が押し寄せてユナイタマはその波に乗って海に帰りました。大津波が引いた後、2軒の家があったところに大きな2つの穴があき池になっていた。この伝説は1771年の明和の大津波もしくはそれ以前に実際に宮古島を襲った大津波が由来ではないかとされています。明和の大津波によって流された大岩は東平安名崎や佐和田の浜、下地島の「津波石」などでも見ることができます。
継子伝説

昔、下地島の漁師が後妻を迎えて、子どもと共に暮らしていましたが、後妻は実子が生まれると継子を疎ましく思うようになりました。ある日、継母は兄（継子）を滑りやすい岩場に、弟（実子）をごつごつした岩場に寝かせ、夜中に滑りやすい岩場の子供を池に突き落とし、残った子供を背負って家に帰りました。帰り道に目を覚ました背中の子供から「弟は連れて行かないの？」「弟がごつごつして眠れないというから場所を変わった」と聞かされ我が子を突き落としてしまったことに気づき自身も通り池に身を投げてしまったそうです。

・宮古島随一のパワースポット
通り池はその独特な形から「世界のすべてを見通す龍の両目」とも呼ばれ、世界中の龍が集まるパワースポットとしも有名です。通り池を中心に下地島・伊良部島を上空から見下ろすと、通り池の先にある鍋底池を「龍の口」として下地島の南側の海岸を「龍の胴体」渡口の浜を「龍の尾」に見立てると、まるで伊良部島から大きな龍が飛び立つように見えます。下地島空港が「龍の翼」に見えてしまうというと言い過ぎでしょうか。

・駐車場

通り池には、観光バスも停められる広い無料駐車場が完備されています。駐車場は大型車にも対応しており、ベビーカーや車椅子での移動も便利です。駐車場のトイレは男性用、女性用、多目的トイレがあり、スロープが設置されているため、車椅子やベビーカーの利用者にも安心です。